肛門外科Proctology

肛門外科

肛門外科についてProctology

外科について
総合内科について
肛門まわりの病気を総称して「痔」と呼んでいます。
痔の3大疾患が「痔核(じかく)」「裂肛(れっこう)」「痔瘻(じろう)」です。
症状としては出血、痛み、肛門の痒み、残便感などがあります。治療には薬物療法や手術療法があり、正確な診断をした上で、十分ご説明の上、最も適切な方法を選択してまいります。
肛門外科は、はっきりした自覚症状があっても場所が場所なだけに、特に女性は受診をためらってなかなか相談に来られず、ひとりで悩んでいる方も少なくないと思います。実は、女性は妊娠・出産やホルモンの影響で便秘にもなりやすいため、おしりのトラブルになりやすいのです。
また、大腸がん、直腸がん、肛門がんなど、重篤な病気が隠れていることもありますので、恥ずかしがらず、お気軽にご相談ください。

こんな症状はありませんか

  • 排便時の出血
  • 肛門部の痛み
  • 脱肛(肛門部からのしこりの脱出)
  • 肛門部の腫れ
  • 肛門部から膿のようなものが出る
  • 肛門部のかゆみが痒い
  • 排便後の違和感
  • 肛門部のできもの

痔の種類Hemorrhoids

痔核(いぼ痔)

痔のなかで最も多いのが痔核、いわゆるいぼ痔です。

肛門付近の血流が悪くなり、うっ血し、さらに静脈がこぶ状に拡張したものが 痔核です。発生する場所により、内痔核と外痔核に分けられます。

内痔核について

直腸と肛門上皮の境界である歯状線の内側にできるのが内痔核です。この部分では、知覚神経がないため、痛みを感じにくく、突然の出血や痔核の脱出で気づくことがほとんどです。出血が多いこともあり、排便時に便器が真っ赤になるほど出血することもあります。進行して痔核が大きくなると、脱出(脱肛)するようになります。脱出も初めのうちは指で押し込めば戻りますが、さらに進行すると戻らなくなり、痛みを伴うようになります。
内痔核は、脱出の程度によって、以下の4段階の症状に分類されます。(Goligher分類)
  • Ⅰ度
    • 肛門鏡で観察すると腫脹しているのがわかるが、排便時でも脱出しない程度の痔核  
  • Ⅱ度
    排便時に肛門外に脱出するが、排便が終わると自然にもどる程度の痔核
  • Ⅲ度
    排便時に脱出し、指で押し込まないともどらない痔核
  • Ⅳ度
    常に肛門外に脱出していて、指などで押し込んでも戻らない状態
  内痔核について

内痔核の治療法

軽度の場合は、坐剤や軟膏などの薬物療法で保存的に治療を 行い、排便の方法や生活習慣などアドバイスを行います。
Ⅲ度以上の症状や日常生活に支障があったり、出血による貧血がひどい場合は、相談の上、手術をお勧めいたします。
また、保存的療法と手術療法の中間に硬化療法やゴム輪結紮(けっさつ)法があります。
硬化療法
パオスクレー(フェノールアーモンドオイル)というものを痔核に注射し、静脈叢を硬くする療法で、出血を止める効果があります。もう一つには新しい硬化療法、ジオン注射硬化療法(ALTA)があります。最近では、このALTA療法が痔核に対する中心的な治療となっています。
ゴム輪結紮法
イボ痔を鉗子でつかみ、その根部を専用の輪ゴムでしばって壊死・脱落させる方法です。高齢者の方やリスクの高い方、寝たきりの患者様にも使用可能です。
手術療法
・結紮切除術
脱出したイボ痔をはさみで切っていく方法です。

・PPH法
直腸の粘膜を機械でリング状に切除・縫合する方法です。PPH(procedure for prolapse and hemorrhoid)法は奥からの血流 を遮断し、脱出する痔核をつり上げる効果があります。
  • ジオン注射(ALTA)療法とは?
    ジオン注射(ALTA)療法とは、痔核(いぼ痔)、特に肛門の奥に出来る内痔核の治療として、最近注目されている硬化療法の一つです。
    坐剤や軟膏で充分な効果が得られず、排便時に出血する、排便時肛門が脱出して自然に戻るもしくは指で押さないと戻らないなどの脱肛症状を伴った方にとって、切らずに注射だけで治すことができる画期的な治療であり、今では痔核治療の重要な役割を担っているといえます。
    手技としては、痔核の部分に硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸を有効成分とする注射液をひとつの痔核に対して4段階(上局部粘膜下層、中央部粘膜下層、中央部粘膜固有層、下局部粘膜下層)に分けて注射していきます。
    注射する場所や角度、深さ、方向、薬剤の量などを厳密に守りながら、繊細な手技を要するため難易度の高い治療です。治療後は痔核内の血流が徐々に低下し、萎縮、縮小していくことで出血や脱出がなくなります。局所麻酔で施行可能で、術後に痛みを感じることが少ないために、仕事や家事などの日常生活への影響を最小限にできることが大きなメリットです。また、後出血のリスクもほとんどありません。治療に要する時間は約20分ー30分程度であり、術後1時間ほどで排尿を確認後、帰宅可能となります。時には一時的に肛門が狭くなったような感じがして「便がでづらい、残便感がある」と言われる方もいますが、多くの方は早ければ治療翌日から効果を感じることができます。
    ただし、脱肛するすべての痔核をこの治療だけで治すことができるわけではありません。大きな内痔核や外痔核成分を多く伴っている痔核では、早期に再発してしまうことがあるため、そのような方には、外痔核部分の切除を組み合わせた治療を提案させていただきます。(ジオン注射単独療法の再発率は約10%といわれています。)
    痔核のサイズや外痔核部分を充分観察し、適応を見極めながら適切な量を適切な部位にしっかり注入することで再発を最小限に抑えることが重要です。

外痔核について

 外痔核について

外痔核は、歯状線より外側の皮膚部分の静脈叢がうっ血してできた腫れです。皮膚は粘膜に比べて丈夫で伸びにくいため、通常は痛みや出血もなく、気にならなければ、そのままにしておいても問題ありません。しかし、時には激しい運動をしたり、急に重いものを持ったりした後などに突然血の塊の血栓ができ、腫れて激しい痛みを生じることがあります。悪化すると皮膚の一部が破れて出血することもあります。
ほとんどの場合、軟膏や坐剤などの薬と、安静にして入浴などで肛門を温め、血行を良くすると改善する事が多いのですが、強い痛みを伴う大きな腫れや元に戻らない変形は、外科的に切除を行う場合があります。

裂肛(急性・慢性)

裂肛とは歯状線より外側にある肛門上皮が切れたキズのことで、切れ痔や裂け痔と呼ばれたりします。ほとんどの裂肛は硬い便で切れることが原因で、便秘がちな20代から40代の比較的若い女性に多い傾向がありますが、時には下痢により裂肛が生じることもあります。
キズができてからの期間によって、急性裂肛と慢性裂肛に分けられます。主な症状は痛みと出血です。キズができたばかりの急性裂肛では痛みの程度は軽く、痛みもすぐに治まりますが、慢性化するとキズが徐々に深くなり、潰瘍を形成してしまいます。キズの中に汚物が貯留しやすくなり、炎症が持続するため、痛みが強く、長く続くようになります。
裂肛の部位は、80%~90%が後方(背側)ですが、女性では前方(腹側)にできることも多いとされています。慢性化してしまう前に切れ痔の原因となる排便習慣を改善することが最も重要です。

急性裂肛

糖尿病の検査
硬い便などによる肛門上皮の過伸展により生じた機械的損傷です。
キズは浅く、急性期は自然治癒力が旺盛であるため、ほとんどが軟膏や飲み薬などにより、数日で治ります。

慢性裂肛

糖尿病の検査
裂肛が慢性になると徐々にキズが深くなり、潰瘍になります。痛みは持続し、長期的な炎症により周囲が硬く隆起して肛門ポリープや見張りいぼができます。
さらに悪化すると括約筋が硬直して肛門が狭くなる肛門狭窄を併発します。狭窄になると、狭いから切れる、切れるからまた狭くなるという悪循環に陥ります。
便通の管理では、完治が難しくなり、手術が必要になることがあります。

痔ろう(あな痔)

痔ろうとは、直腸と肛門周囲の皮膚の間に穴が開いてトンネル状の穴ができてしまう状態のことで、別名あな痔とも呼ばれています。
直腸と肛門の境界の歯状線にはポケット状になった肛門陰窩というくぼみがあり、このくぼみには粘液を出す肛門腺があります。通常であれば、そこに便が貯留しても問題ないのですが、免疫が低下している時に下痢や便秘などで便がはまり込んだままになると、肛門腺内で感染を起こし化膿することがあります。化膿した肛門腺では、慢性の炎症により内部で生じた膿が出口を求めて皮膚側に広がっていき、初期の段階では肛門の周囲に膿がたまる肛門周囲膿瘍を生じます。
さらにたまった膿が出口を求めて深くなり、皮膚側へ自然に破裂したり、切開処置で排膿したりすることにより、膿が出た後も瘻管が残ると、痔ろうとなります。痔ろうになってしまうと痔核や裂肛と異なり、薬で治すことはできず、完治には手術が必要になります。症状が落ち着いているようにみえても、瘻管内では慢性の炎症が持続するため、長年放置すると、徐々に複雑化して治療が難しくなり、まれに痔ろう癌になることがあります。痔ろう癌は一般の肛門癌に比べて悪性度が高いといわれているので注意が必要です。
ただ、肛門周囲膿瘍の全例が痔瘻になるわけではなく、全体の30-50%程度が痔ろうになるといわれています。肛門周囲膿瘍で排膿処置を行っても、すぐに痔ろうの手術を行うわけではなく、膿瘍が落ち着いてから、少なくとも1か月以上は空けて、瘻管を評価して、手術の必要性を判断することになります。

痔ろうの症状

肛門周囲膿瘍では、主に「痛み」、「腫れ」、「膿が出る」などの症状を認め、発熱がみられることもあります。痛みは排便と関係なく、ズキンズキンと激しい痛みとなることが多いです。
自然に破れるか、切開処置によりたまった膿がでると、一旦症状は軽減して楽になりますが、その後も慢性炎症により瘻管を形成すると、常につながった皮膚から膿がでて、下着を汚すようになります。炎症を繰り返すうちに瘻管が何本も枝分かれすると肛門機能にダメージを与えて、排便困難を感じたり便失禁を生じることもあります。

痔ろうのタイプ

痔ろうは瘻管の通りに道によって、皮下痔瘻(I型)、筋間痔瘻(II型)、坐骨直腸窩痔瘻(III型)、骨盤直腸窩痔瘻(IV型)といった4つの種類に分類されており(隅越分類)、I型、II型は単純痔ろう、III型、IV型は複雑痔ろうと呼ばれています。

痔ろうの手術

痔ろうでできた瘻管は肛門括約筋を通っているため、手術によって肛門括約筋にダメージを与え過ぎると術後に便失禁などを起こす可能性があります。また、瘻管と原発となった肛門腺の不確実な処理により、早期の術後再発につながることもあるため、熟練した専門医により適切な治療法の検討が重要となります。
切開開放術:浅い単純痔ろうに適した手術法で、痔ろう手術で最も再発が少ない方法です。
外側の括約筋の一部を切  開するため、括約筋の影響が少ない肛門後方の痔ろうに対して行うことが多いです。
シートン法:痔ろうの瘻管に輪ゴムを通して軽く縛り、時間をかけてゴムの力で徐々に瘻管を切開していく方法です。
肛門の変形が少なく、肛門括約筋は温存できますが、完治するまでにある程度時間がかかります。
肛門括約筋温存術:肛門後方以外の痔瘻に対して肛門括約筋を切断しない方法で手術をします。
くりぬき法といって、痔管だけをくり抜く方法などがあります。再発率(15%)が高いとの報告があります。
単純痔ろうに対しては、当院で日帰り手術を行っております。
複雑痔ろうでは、基本的に入院が必要となり、適切な病院を紹介しています。

肛門ポリープ

 肛門ポリープ
肛門縁から1~2cmぐらい入ったところに直腸と肛門の境界である歯状線があり、この部分は、ふつうの皮膚よりもややつやがあり、白っぽく見えて、全周に細長い凹凸(肛門乳頭)が並んでいます。さらにこの歯状線より奥は、ピンク色をした直腸粘膜へと続いています。肛門ポリープとは、この歯状線付近の移行上皮から出来ている肛門乳頭に発生する炎症性・線維性の肥厚、または硬いしこりのことです。
原因としては、下痢・便秘の繰り返し、裂肛、痔核、痔瘻など歯状線付近の慢性的な刺激や炎症だと考えられています。
ポリープは小さいものでは粟粒大から親指大まであり、団子状、きのこ状などのほかに、ひもが付いたように長く伸びてくるものもあります(有茎性ポリープ)。
ひどくなると、排便のたびにポリープが先頭になって脱出し、ポタポタ出血したり、痔も一緒に脱出したりすることもあります。一般に排便後は、手で元に押し込めてやれば、一日無症状で過ごせます。ポリープが大きいと、いつも便をしたいような感じが起こります。また、ポリープが出たり、これを手で押し込めたりしていると、肛門がかぶれて痒くなります。
若い女性が裂肛を長く繰り返していると、裂肛の奥にポリープができ、これが刺激となって裂肛が治らないために、さらにポリープが大きくなってしまうという悪循環がよく見られます。このような場合には早めにポリープを切除するか、しばってしまうかすると、裂肛は急速に治ってきます。

肛門ポリープの治療法

肛門ポリープの治療法
これら肛門ポリープは大腸ポリープと異なり、 がん化することはありません。
一般に肛門ポリープの治療は外科的に行いますが、ポリープ単独の場合は、外科処置で簡単に切除できます。深い裂肛、痔核、痔瘻などの合併症がある場合は、根治手術が必要です。

肛門皮垂(スキンタグ)

肛門皮垂(スキンタグ)
肛門の周囲に出来た皮膚のたるみのことです。
多くが外痔核や裂孔などで一時的に肛門部が腫れ、その後、腫れが萎縮した後に、しわとなって残ったものです。
なかでも肛門前方に出来るものは女性に特有で、出産後や裂肛が長期間存在した時に出来ます。痔は皮膚の清潔を保ち、便通をコントロールするなど、保存的治療を行うことにより多くは症状が改善しますが、いったん形成された皮垂は切除する以外、消えることはありません。

肛門皮垂の治療法

肛門皮垂の治療法
肛門皮垂は、放置しておいても構いませんが、スキンタグの ために肛門周囲に皮膚炎を起こし、痒みや痛みを生じる方が おられます。
また、美容的に気にする方も多く、これらの場合は手術を行います。日帰り手術が可能で、手術翌日、必ずしも仕事を休む必要はありません。

肛門掻痒症、肛門周囲皮膚炎(かぶれ)

 肛門周囲皮膚炎
肛門にかゆみを生じる疾患として、肛門掻痒症、痔によかゆみ、皮膚疾患によるかゆみがあります。
原因としては、
・硬い便や下痢の勢いでできた小さなキズ
・排便後に肛門を拭きすぎ
・お風呂で肛門を洗いすぎ
・シャワートイレなどによる頻回の肛門洗浄
・肛門の粘液や汗によるかぶれ
・アギー

肛門掻痒症、肛門周囲皮膚炎の治療法

肛門周囲皮膚炎の治療
多くの場合は、正しく肛門を手入れし、排便を整え、内服薬や軟膏処置を行うことで治療が可能です。
肛門掻痒症では、ウォシュレットの使用を控える、入浴時に石けんで肛門を洗わない、排便後に紙で拭くのは3回までに制限してください。
残便もかゆみの原因となるため、排便をしっかり出し切るための便通コントロールも重要です。
弱った皮膚に腸から分泌された粘液が付着すると皮膚炎(かぶれ)を起こし、さらにかゆみが増強されます。初めは炎症やかゆみを抑える軟膏(ステロイドや抗ヒスタミン薬)をしっかり使用します。とにかく掻かないようにすることが重要で、炎症があるからかゆみが出る、掻くから皮膚が傷つきさらに炎症がひどくなるという悪循環を断たなければいけません。
また、頻度は少ないですが、カンジダ菌が原因となっていることもあります。外見上では鑑別が難しいことも多く、真菌検査を行います(真菌検査は4~5日で判定がつきます)。原因が真菌症の場合は、抗真菌薬を使います。肛門掻痒症で使うステロイド剤との併用は、効果を弱め合う性質があるため、同時使用は避けるようにします。

毛巣洞

毛巣洞とは、肛門部の背側から臀部の割れ目の毛の生えている部分で炎症を起こし、膿がたまる病気です。
この部分には、体毛が密集しており、皮脂腺や汗腺などの分泌物も多いため、細菌が繁殖しやすくなっています。
毛深い男性に多く見られます。

原因と症状

原因としては、先天的に体毛の原基が皮膚に開かずにもぐりこんでいて、年をとるにつれ育ってきて発症するという説と、後天的に毛穴があとから皮下にもぐりこむことによって生じるという説があります。
最近では後者の説の方が支持されており、長時間乗り物に乗る方などでは、シートに接触する部分に力がかかりやすくなり、その部分の毛が皮下にもぐりこんでしまうために発症しやすいと考えられます。
症状は、感染により痛みやかゆみ、腫れ、発赤、化膿そして悪臭などがみられます。

治療

膿がたまっている場合は、まず切開して膿を出します。
しかしこれはあくまでも応急処置であり、完治するためには根治術で膿のトンネル全体を取り除く必要があります。
時に深くまで膿のトンネルがつづくため、術前にCTやMRIで広がりを確認しておき、できるだけ奥までトンネルを追いかけ、全体を切除します。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルスによる感染で、肛門周囲にイボ状の突起が現れます。
多くは性行為により感染する性感染症ですが、時々高齢者や小児にみられることもあり、感染経路が不明なこともあります。(トイレのウォシュレットやお風呂のイスやタオルなどを介して、皮膚粘膜の傷から)

症状

潜伏期間は3週間から8ヵ月程度とされ、その後米粒様のイボ状の突起が現れます。
痛みやかゆみなどの自覚症状に乏しいため、無自覚に感染を拡げてしまうことがあります。

治療

放置すると突起の数が増えたり大きくなったりするだけでなく、肛門内部に広がることもあり、感染の拡大を防ぐためにも早めに治療する必要があります。
主には外科的治療と薬物治療があり、突起の数や大きさに応じて治療法を検討していきます。
外科的治療としては、外科的切除、焼灼療法、凍結療法などが行われます。
薬物治療では、免疫能を高め、感染した細胞に対して障害作用をもつベセルナクリームという外用薬が週3回使用されます。外見上、突起が消失したように見えても、体内のヒトパピローマウイルスは完全除去が難しいため、治療後3ヵ月以内に4人に1人が再発すると言われています。
治療後も約3ヵ月は慎重な経過観察が必要です。

痔の主な原因Cause

肛門に負担をかける便秘や下痢などの便通異常、長時間座りっぱなしで起こる 肛門周囲の血流不良が主な原因です。
 慢性的な便秘
慢性的な便秘
便秘によって便が硬くなると、排便時に内部の粘膜が傷づけられ、切れ痔(裂肛)になることがあります。また、慢性便秘は、長時間のトイレや、強く息む排便習慣により、肛門部血管のうっ血や拡張を生じていぼ痔(痔核)や脱肛の原因となります。
 下痢による細菌感染
下痢による細菌感染
慢性的な下痢で肛門に圧力がかかり続けると、粘膜の炎症を起こして傷つきやすくなり、いぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)ができやすくなります。 また、肛門の組織に細菌が入り込むと化膿して肛門周囲膿瘍となり、痔ろう(あな痔)になります。
 長時間座りっぱなしの生活
長時間座りっぱなしの生活
長時間座りっぱなしだと、肛門周囲の血流が滞ってうっ血しやすくなります。

痔にならないためにPrevention

痔を予防するために規則正しいライフスタイル、食生活の見直し、
お尻に負担をかけない排便を行いましょう。
 規則正しいライフスタイルを
規則正しいライフスタイルを
便通のリズムや腸内環境を整えるためには、規則正しい ライフスタイルが大切です。
寝起き、排便、食事は決まった時間に習慣づけ、適度な運動と十分な睡眠で腸の動きを良くしましょう。
 食生活を見直す
食生活を見直す
腸内の善玉菌を増やす納豆、ヨーグルトや食物繊維、オリゴ糖などを摂り、辛いモノやアルコールなどの刺激物は控えましょう。
 おしりに負担をかけない排便
おしりに負担をかけない排便
なかなか出ないときや残便感があるときも、無理にいきまずに早めに切り上げ、便意をもよおしたときには我慢せずに排便しましょう。 温水洗浄はやさしく洗い流し、紙でお尻を拭くときはこすらずに押し当てるように使います。

診察までの流れ

  • STEP
    01
    受付
    来院されましたら、まずは受付へお越しください。保険証や診察券、その他必要なものを受付スタッフにお渡しください。

    ご質問等ございましたら、お気兼ねなくお申し付けください。
  • STEP
    02
    問診
    当院に初めてお越しの患者様には、問診票のご記入をお願いしております。

    事前に対応いただくことも可能ですので、以下ボタンよりダウンロード、ご記入をお願いいたします。
    ※初診時のみ
    問診票ダウンロード
  • STEP
    03
    順番待ち
    当院の待合は広く開放的な創りとなっておりますので、ゆったりリラックスしてお待ちいただけますと幸いです。

    2階にはリカバリーコーナーもご用意しております。
  • STEP
    04
    診察
    できる限り患者様のご不安を取り除きながら、的確な診察・治療を徹底しております。
  • STEP
    05
    会計
    診察・治療が終わりましたら、待合にてお待ちください。

    お名前をお呼びいたしますので、呼ばれたら受付にてお支払いをお願いいたします。
  • STEP
    06
    お薬受け取り
    お薬を処方された方は、調剤薬局にてお薬の受け取りをお願いいたします。
    お薬手帳をお持ちの方はご持参いただき、お支払は薬局にてお願いいたします。

日帰り手術のご案内

  • STEP
    01
    受付後、順番に診察室へお呼びします。
    当院は肛門外科以外の診療科もあるため、ほかの患者さんには 何科で受診しているかはわかりません。
  • STEP
    02
    問診後、ベッドの上に壁側を向いて横向きに寝ていただき、肛門の中を指や肛門鏡を挿入して診察します。
    声かけをしながら診察しますので、肩の力を抜いてリラックスしてください。
  • STEP
    03
    診察後に、医師から肛門の状態と今後の治療方針に ついてわかりやすく説明いたします。
    診察の上、手術が必要と判断したら、患者様の意向を確認し、手術内容について詳細に説明します。出血の方の場合は、大腸癌が隠れていることもあるため、治療の前に大腸内視鏡検査を勧めることもあります。
  • STEP
    04
    看護師より同意書の説明を行い、都合を伺いながら手術日を決めるようにします。手術当日の食事や来院方法、来院時間、帰宅時間などについて説明します。
    疑問に思うことがあれば、何でも質問して下さい。手術後の注意点などについては、手術当日に詳しくお話させていただきます。

手術費用

治療項目 費用
痔核(いぼ痔)
切除+硬化療法(ALTA療法)20,000円前後
硬化療法(ALTA療法)15,000円前後
慢性裂肛 15,000円前後
痔ろう(単純性) 15,000円前後
肛門ポリープ 6,000円前後
肛門皮垂 6,000円前後
肛門周囲膿瘍(切開排膿) 7,000円前後

手術件数

  • 平成26年10月~平成27年3月
    50件
  • 平成27年4月~平成28年3月
    159件
  • 平成28年4月~平成29年3月
    199件
  • 平成29年4月~平成30年3月
    229件
  • 平成30年4月~平成31年3月
    192件
  • 平成31年4月~令和2年3月
    235件
  • 令和2年4月~令和3年3月
    163件
  • 令和3年4月~令和4年3月
    215件
  • 令和4年4月~令和5年3月
    243件
当院では、注射の治療(ALTA療法)と切除を組み合わせながら、
すべての痔核に対する日帰り根治術を行っています。
内痔核(いぼ痔)がメインの場合には、切らずに注射だけで治すALTA療法のいい適応法です。メリットは、術後の痛みがほとんどなく、翌日から普段通りの生活を送りつつ、治療効果を実感できることです。しかしながら、外痔核の成分が多い脱肛性の痔核に対しては、ALTA療法のみでは、早期再発につながってしまう可能性があります。当院の日帰り治療は、痔核の成分をきちんと見極めて、患者さんと相談の上、再発の少ない最善の治療法を提案させていただきます。

患者様の声Voice