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消化器内科,大腸内視鏡検査
2024.01.14
大腸癌(がん)のできやすい場所ってあるの?

最近よくいわれることですが、食生活の欧米化に伴い、日本でも大腸癌は増加傾向となっています。

罹患率は、癌種別では男性で第3位、女性で第1位となっており、周りで大腸癌になった方の話を聞くこともあるのではないかと思います。

しかしながら、大腸は長い臓器であり、一概に大腸癌といっても、じつは部位によって違いがあることをご存知の方は少ないかもしれません。

そこで今回は大腸の部位と癌の発生頻度の違いについて説明したいと思います。

大腸の部位


大人の大腸は長さが平均110cm(76~161cm)ぐらいで、上図のように虫垂と肛門を除いて、奥から盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸の6つの部位に分けられます。

一般的に呼ばれている大腸癌というのは総称であり、実際の病名は、直腸にできれば直腸癌、奥の上行結腸にできれば上行結腸癌というように、その部位の名前に癌がついたものになります。

部位別大腸癌の発生頻度をまとめると、以下のようになっています。

直腸    40.9%

S状結腸    32.5%

上行結腸      15.6%

横行結腸           9.9%

盲腸                   6.5%

下行結腸            4.6%

圧倒的に多いのは直腸で、次いでS状結腸となっており、この肛門に近い2つの部位で約7割を占めているのです。また、多くの大腸癌はポリープの増大過程で癌化してくるので、大腸内視鏡検査でのポリープ発見率もやはり同様の傾向がみられます。

大腸ポリープ、大腸癌が肛門に近い部位に多い理由としては、便の停滞時間との関連が指摘されています。液状から徐々に固形となってきた便は、S状結腸や直腸で他の部位より長く停滞するため、便中の発がん物質と腸の壁に接する時間が長くなり、より発がんしやすいと考えられています。そういう意味では便秘の方、運動不足や肥満で腸の動きが悪くなっている方も注意が必要かもしれません。

一方、肛門から離れた上行結腸や横行結腸では、便はまだ液状であり、腸管の内腔が太く便通の異常が起こりにくいため、ポリープや癌ができるリスクは比較的少ないと考えられます。ただし、その分通過障害による腹部症状や少量の出血があっても、腸の症状としては出にくく、より進行した状態で見つかることが多くなりますので注意が必要です。

以上に述べてきたように大腸では、肛門近くと遠くでポリープ、癌のリスクが異なるのです。

今後大腸検査を受けられ、ポリープや腫瘍を指摘された場合、大腸のどこの部位にあったかの説明があると思いますので、今回の説明を参考にされるとより分かりやすいと思います。

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