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消化器内科
2024.01.21
突然の腹痛、血便。虚血性腸炎ってどんな病気?

消化器内科、肛門科で診察をしていると、血便を心配されて受診される方が毎日のようにいらっしゃいます。

一概に血便といっても、いつからなのか、赤いのか黒いのか、腹痛を伴うのか、肛門痛があるか、便の性状がどうかなど、症状は様々です。

今回は、突然の腹痛と血便で発症する比較的頻度の高い虚血性腸炎という病気について説明したいと思います。

虚血性腸炎とは、大腸を栄養する動脈の血流が何らかの原因で低下することによって腸に炎症が起こり、腹痛や出血をきたす病気です。

動脈硬化と関連して高血圧症、糖尿病、脂質異常症など基礎疾患を持っている人でなりやすく、比較的女性に多くみられます。

ただ、意外と基礎疾患のない健康な20代や30代の方でも発症することがあり、便秘や食生活の乱れ、ストレスとの関連も指摘されています。


症状

腹痛、下痢、血便が主な症状です。特に突然発症し、左の側腹部から下腹部にかけて強い痛みを認めることが多いです。

ほとんどが粘膜内にとどまる炎症で、一過性の症状であることが多いのですが、まれに腸管壊死を起こすような重篤なケースもありますので、自己判断での経過観察はしないようにしてください。

診断

まずは問診で発症の仕方、血便の性状、腹痛の部位などを確認していきます。

確定診断は大腸内視鏡検査ですが、血便、腹痛がある中で検査は、苦痛のわりに得られる情報が少ないため、炎症が落ち着いてから施行することとしています。まずは採血で貧血や炎症反応の程度を確認、肛門鏡で直腸内の血便の観察、腹部CT検査で症状部位に一致した大腸壁の浮腫状炎症性変化を認めることで、ほぼ診断を確定することができます。

治療

貧血もなく、来院時にすでに症状が改善傾向であれば、柔らかい消化にいいものを摂取しながら、腸管を安静にして自宅で療養することになります、

症状が強く、炎症反応が高い場合には、経過観察が必要なため、入院で絶食、点滴となることもあります。その場合でも通常は1週間程度で治癒してきます。

基本的には、特別な治療を行うわけではなく、症状を緩和しながら、自然治癒をまつことになります。

普段通りの生活をしていたのに、突然血便を認めたら、かなり不安になりますよね。きちんと診断を受けることで不安が解消されると思いますので、なるべく早めに受診するようにしてくださいね。

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