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「最近おならが多くて困る」「人前でガスがでそうで不安」といった相談をうけることがしばしばあります。
おならが出ることは自然な生理現象で、体にたまったガスを外に出す大切な働きでもあります。ただ、あまりにも回数が多い、においが強い、腹部の張りや腹痛を伴うなどの場合には、食生活や腸の状態が関係していることもあります。
今回はおならが多くなる原因と対処についてお話したいと思います。
おならが何故出るのか
食事をしたり、水分を飲んだり、話をしたりしていると、人は少量の空気を飲み込んでいます。飲み込んだ空気の多くはゲップとしてでますが、一部は腸の方に進み、最終的におならとして出ます。
もう一つのおおきな原因は、食べ物の発酵です。小腸で消化・吸収されなかった糖質や食物繊維が大腸に届くと、腸内細菌がそれを分解します。その過程で水素、二酸化炭素、メタンなどのガスが発生するのです。

健康な人でも1日に平均10回~20回ほどはおならをしており、決して異常なことではありません。
しかし、急に回数が増えたり、お腹の張りが強くなったりする場合には、いくつかの理由が考えられます。
おならが増える主な原因
1. 早食い・よく噛まない食事
食事が早い、忙しくて急いで食べる、話しながら食べる方は、空気を飲み込みやすく、ガスが増えやすい傾向にあります。
また、よく噛まずに飲み込むと消化に負担がかかり、腸内で発酵しやすくなることがあります。
食べ過ぎ、喫煙、ガム、合わない入れ歯なども、やはり空気の飲み込みを増やすと考えられます。
2. 炭酸飲料をよく飲む
炭酸水、ビール、炭酸ジュースなどには二酸化炭素が含まれています。飲んだ直後はゲップとして出ることも多いですが、一部は腸に進み、お腹の張りやガスの原因になることがあります。
3. 食物繊維や発酵食品の摂りすぎ
健康のために食物繊維をとることは大切です。
しかし、急に食物繊維を増やしたり、もともと腸が過敏な方が多く摂りすぎたりすると、ガスが増えることもあります。
ガスが出やすい食品としては、以下のようなものもあります。
・豆類
・いも類
・玉ねぎ、にんにく
・キャベツ、ブロッコリー
・乳製品
・果物
・人口甘味料を含む食品
健康的な食品も多く含まれますが、人によっては腸内で発酵しやすく、ガスや腹部膨満の原因になることがあります。
4. 便秘
便秘になると、便が腸内に長くとどまります。その間に腸内細菌による発酵が進み、ガスが増えたり、においが強くなったりすることがあります。
また、便がたまっているとガスの通り道も悪くなるため、お腹が張って苦しくなることがあります。
5. 過敏性腸症
検査では大きな異常がないのに、腹痛、下痢、便秘、お腹の張り、ガスが続く場合、過敏性腸症候群(IBS)が関係していることがあります。
IBSの方は、腸が刺激に敏感になっているため、通常なら気にならない程度のガスでも強く張りを感じたり、腹痛として感じたりすることがあります。
ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、緊張などで悪化することもあります。
6. 腸内環境の変化
抗生物質を飲んだ後、胃腸炎の後、食生活が大きく変わった後などに、腸内細菌のバランスが変化し、ガスが増えることがあります。
また、糖尿病、甲状腺機能低下症、腸の動きが悪くなる病気、まれには小腸内細菌増殖症(SIBO)、炎症性腸疾患(IBD)、大腸がんなどが関係することもあります。
ほとんどは生活習慣や食事の影響ですが、症状が長引く場合は注意が必要です。
においが強い理由
おならの主成分の多くは、呑気した空気などにおいの少ないガスです。
においが強くなるのは、硫黄やメタン、アンモニアなどのにおいの強いガスの発生が関係します。
肉類、卵、にんにく、にら、アルコール、脂っこい食事が多いと、においが強くなるのはそのためです。
また、便秘で便が長く腸内にとどまることでも、においが強くなることがあります。
においだけで重大な病気と判断することはできませんが、急に便通が変わった、血便がある、体重が減る、腹痛が続く場合は診察が必要です。
おならを減らすための対処法
1. ゆっくり食べる
2. 炭酸飲料、ガム、ストローを控える
3. 食事内容を記録する-何かを食べた後に症状が出るのかを記録すると原因が見つかりやすくなります。
4. 便通を改善する
5. 腸に合わない食品を無理に続けない
受診した方がよい場合
おならが多いだけで、すぐに重大な病気を心配する必要はありません。
ただし、次のような症状がある場合は、医療機関で相談してください。
・ 血便がある
・ 体重が減ってきた
・ 強い腹痛がある
・ 下痢が長く続く
・ 便秘が急に悪化した
・ 便が細くなった
まとめ
おならは誰にでもある自然な現象です。
多くの場合、早食い、空気の飲み込み、炭酸飲料、食事内容、便秘、腸内環境の変化などが関係しています。
大切なのは、恥ずかしがりすぎず、原因を一つずつ探していくことです。
お腹の張りやガスが気になる方は、ゆっくり食べる、炭酸飲料を控える、食事と症状を記録する、便秘を改善する、自分に合わない食品を見つけるといったことから始めてみましょう。
ただし、血便、体重減少、強い腹痛、長引く下痢、急な便通異常がある場合は、早めに医療機関を受診してください。







