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内科
2023.10.15
帯状疱疹について
最近、帯状疱疹についてのテレビ広告や春日井市で帯状疱疹ワクチンの補助が4月1日から開始となった影響もあり、当院でも問い合わせが非常に増えています。
実際、帯状疱疹を発症する患者数が増加していることが、世界的にも報告されており、より身近な病気として認識されるようになってきたのだと思われます。近年、増加している要因としては、コロナ禍におけるストレス、コロナワクチン、コロナ感染などが挙げられています。

そこで、帯状疱疹と現在使用されている2種類のワクチンについて簡単に説明しておきましょう。

帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、水ぶくれを伴う赤い発疹が、体の左右どちらかにだけ帯状に現れることが特徴の皮膚疾患です。
患部にピリピリ、チクチクしたかゆみや痛みを伴うことが多く、症状は3~4週間程度続きます。頭部や顔面に出ると、目や耳の神経が障害され、めまい、耳鳴りなどの合併症、重症化すると視力低下や顔面神経痛など重い後遺症が残ることがあります。

帯状疱疹の原因と症状

帯状疱疹は子供のころに多くの方が感染する水ぼうそうのウイルスが原因となって引き起こされます。
水ぼうそうが治った後も、水ぼうそうウイルスだけは神経節内に潜伏しています。普段は特に症状はないのですが、加齢や過労、ストレスなどにより免疫力が落ちたときに、神経に沿ってウイルスが活性化してしまうことで帯状疱疹が引き起こされます。
日本人の90%以上が帯状疱疹になる可能性があり、80歳までに3人に1人が発症するとされています。
50歳以上で帯状疱疹を発症した方のうち、約2割の方は皮膚の症状が完治したあとも3か月以上痛みが継続してしまう帯状疱疹後疼痛( PHN)を引き起こすとされています。
よって帯状疱疹は予防が重要であるといえます。


帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹を予防するワクチンには大きく分けて2種類あります。
従来から水ぼうそうの予防にも使われている水痘生ワクチンと2020年1月に発売となった不活化ワクチンの「シングリックス」です。
シングリックスはウイルス表面のタンパクの一部を標的とした不活化ワクチンで、生ワクチンに比べて、予防効果が高く、長く効果が期待できる反面、値段が高いなどのデメリットもあります。

帯状疱疹ワクチンの比較

水痘性ワクチン シングリックス
ワクチンの種類 弱毒性ワクチン 不活化ワクチン
接種回数 1回 2ヵ月空けて2回
予防効果 50~60% 90%以上
費用 8,800円 22,000円
市の補助 3,000円 1回につき10,000円
効果の継続期間 5年程度 9年以上
副反応 1%
接種部位の痛み・腫れ・発赤
6~11%
接種部位の痛み・腫れ・発赤
メリット 値段が安い 1回で済む 予防効果が高い
デメリット 免疫不全者は使用できない 費用が高い 副反応が強い

当院では希望に応じてどちらのワクチンも接種可能です。選択に迷われる場合にはご相談下さい。

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