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肛門外科
2023.10.14
ウォシュレット症候群って?---お尻を洗いすぎていませんか。

ウォシュレット症候群とは、温水洗浄便座の過度の使用が肛門のかゆみなど、様々な症状を引き起こすことがあることから、そのように呼ばれるようになりました。

近年、日本では自宅だけでなく、外出先のトイレもほぼウォシュレットが普及しており、排便時にウォシュレットで洗わないと気持ち悪いという人も少なくありませんね。

しかしながら、肛門をきれいにするというのは良いことばかりではありません。当院には、肛門のトラブルを抱えた多くの患者さんが来院されますが、肛門の痛みやかゆみを訴えて、お話を伺うと、ウォシュレットを排便前後で過度に使用している方がしばしばいらっしゃいます。中には自動で停止するまで数分もの間、洗浄し続けている方もいるのです。

そのような方の肛門を観察すると、洗いすぎによる乾燥で皮膚が真っ白になっていたり、摩擦で色素沈着を起こし黒くなっていたり、ブツブツができたり、乾燥を防ぐために過剰に皮脂が出てきて、ベタベタ、テカテカになったりして、見た目にもひどい状態となっていることが往々にしてあります。

お尻を洗いすぎると 皮膚の表面を潤している、天然の油分で、重要な皮膚のバリア機能を担っている「皮脂膜」がなくなってしまいます。皮膚の表面が「皮脂膜」で覆われていることで、皮膚内部の水分が蒸発せず、肌が守られるのです。また、「皮脂膜」は外部から有害な物質が侵入するのを防いだり、膜中の常在菌が感染から肌を守る役割を担っているのです。

 温水洗浄便座の正しい使い方

  水圧は弱で、洗浄時間は5~6秒で十分です。

  洗浄したお尻を紙で強く拭かないようにしましょう。洗浄によって皮脂が少なくなった肛門は、傷つきやすくなっています。

  乾燥機能を使う場合には、濡れたままでは時間がかかるので、お尻を紙で柔らかく拭き取って、その後乾燥をするのがいいと思います。

  排便を促進するために刺激として使用してはいけません。皮膚トラブルの問題だけでなく、刺激がないと便意をもよおさなくなってしまうことがあります。また、腸内を洗浄するように使うのもやめましょう。温水が出るノズルに付着した細菌を腸内におしこむことになってしまうので、衛生的には問題があります。

 肛門を清潔にすることは悪いことではないのですが、肛門のトラブルを防ぐため、正しい温水洗浄便座の使い方を心掛けて下さい。

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