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消化器内科
2024.07.14
口臭と胃の病気の関係について

口臭は自分ではなかなか気づきにくく、時に家族や友人から口臭を指摘されると、結構ショックを受けますよね。

自分では歯もしっかり磨いているし、歯医者も行ってきちんと治療しているので、まさかと思いながら、胃の問題を心配して受診される方が結構いらっしゃいます。

 

今回は口臭と胃の病気についての関係についてお話したいと思います。

 

まず、口臭の原因としては、

・食べ物やタバコによる一時的口臭

・起床時や緊張時、空腹時の唾液量の減少により、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすくなり臭いを放つ、生理的口臭

病気が原因として起こるものとしては、

・虫歯、歯周病、口内炎などの口の病気によるもの

・蓄膿、扁桃炎などの鼻、喉の病気によるもの

・慢性気管支炎などの呼吸器の病気によるもの

・胃腸の病気によるもの などがあります。

 

口臭の原因として一番多いのは虫歯と歯周病です。慢性的な口臭の原因の9割は虫歯と歯周病と言われるほどです。

 

では口臭と胃の病気との関係はどうでしょう。

胃の不調を起こすと、食事の消化が悪くなり、発酵が起こります。発酵した際の臭いが肺に入り、結果的に臭いの強い息が吐き出されるのです。

また、食べたものが食道に上がってくる逆流性食道炎では、ゲップのように酸っぱい胃液の臭いとして吐き出されます。

 

口臭を伴う胃の病気の例

慢性胃炎

ピロリ菌感染、過剰なストレス、乱れた食生活などで胃の粘膜に炎症がおこり、慢性胃炎となる場合があります。舌苔が増えたり、唾液の減少、消化不良によって口臭につながります。

腐卵臭と呼ばれる卵の腐ったような臭いが特徴的です。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

粘膜の表面が深くえぐれ、ただれてしまう病気で、潰瘍ができると食べ物がスムーズに消化されなくなり、腐敗して悪臭がします。悪臭は血中に取り込まれ、全身を巡って呼気として吐き出されます。やはり胃炎と同様に腐卵臭がします。

逆流性食道炎

食べ過ぎ、太りすぎ、ストレスなどで、胃酸が食道に逆流しやすくなり、喉の奥や口の中で酸っぱい臭いがこみ上げてくるため、その臭いが口臭につながることがあります。

胃がん

胃がんが進行すると潰瘍をつくり、増殖の過程でがん細胞が壊死することで強い臭いを発生し、それが血液に取り込まれて、息として吐き出されます。

 

まとめ

口臭の原因は大半が口腔の問題からですが、胃の不調がきっかけとなって引き起こされる場合もあります。なかなか口臭が改善しない場合には、一度胃内視鏡検査を考慮してみてください。胃薬などにより胃の状態が改善すると、口臭も改善するかもしれませんよ。

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